定年後再雇用者の賃金設計において、注目されている名古屋自動車学校事件。
名古屋自動車学校で働く労働者らが、定年退職後、1年更新の嘱託社員となった。
その際、定年前後で特に職務内容や人材活用の仕組みに違いがないにもかかわらず、基本給は定年退職時の50%以下、賃金総額は60%程度に減額されたことが旧労働契約法第20条(不合理な労働条件の禁止)に抵触するとして、訴訟を起こしたものである。
令和2年10月28日名古屋地裁判決において、定年前の基本給の60%を下回る限度で不合理性を認定したが、令和5年7月20日最高裁判所第一小法廷にて当該判決を破棄し、審理を名古屋高等裁判所に差し戻した。基本給、賞与の支給目的・性質や、労働組合との交渉の具体的な経緯の検討が不十分と指摘している。