派遣業許可における資本金の基準と満たせない場合の具体策
派遣業の許可を取得するためには、資本金や純資産に関する厳しい財産的基礎の要件をクリアしなければなりません。基準資産額2,000万円以上、現金預金1,500万円以上といった条件が定められており、これらを満たせなければ原則として申請自体が受理されないため、事前の準備が欠かせません。
ただし、現時点で要件に届いていなくても、増資や月次決算の活用といった対処法が用意されています。基準資産額の算出方法から現金預金の保有基準、要件を満たせない場合の具体的な対策まで、派遣業許可の財務要件をわかりやすく整理していますので、許可取得に向けた資金計画にお役立てください。
派遣業許可の資本金や資産要件のご相談はグランアシスト社会保険労務士事務所へ
派遣業の許可を取得するには、資本金や純資産に関する財産的基礎の要件を満たさなければなりません。基準資産額2,000万円以上、現金預金1,500万円以上、基準資産額が負債の7分の1以上という3つの条件をすべてクリアする必要があり、既存の会社では直近の決算書をもとに審査が行われます。要件を満たせない場合でも、増資や月次決算と公認会計士の監査証明を組み合わせて対応できるケースがありますが、手続きの流れやスケジュールの組み立てには専門的な知識が欠かせません。
グランアシスト社会保険労務士事務所では、派遣業許可の新規申請や更新手続きのサポートに対応しています。許可基準の要件確認にとどまらず、許可取得までのスケジュール組み立てや進捗管理もきめ細かくサポートしており、許可後の書類管理や事業報告書の手続き支援まで対応しています。
基準資産額と純資産の算出方法を押さえて派遣業許可に備える
派遣業の許可を取得するには、直近の決算書(貸借対照表)をもとに「基準資産額」を算出し、所定の要件を満たす必要があります。この基準資産額は会社の純資産をベースにした数値であり、設立時に払い込んだ資本金の額とは異なりますので、混同しないよう正しく理解しておきましょう。
基準資産額の計算式
基準資産額は、貸借対照表の「資産の総額」から「負債の総額」を差し引き、さらに「繰延資産」と「営業権(のれん)」を控除して求めます。
繰延資産や営業権が計上されていない会社であれば、資産から負債を引いた金額がそのまま基準資産額になります。なお、繰延資産や営業権が貸借対照表に計上されている場合は、控除の対象となるかどうかを税理士に確認しておくと安心です。
新設法人の場合はどう判断されるか
まだ決算を迎えていない新設法人の場合は、設立時の資本金および資本準備金の額で判断されます。現金出資で資本金2,000万円の会社を設立すれば、負債はゼロですので基準資産額もそのまま2,000万円となり、要件をクリアできます。
一方、既存の会社では資本金が2,000万円以上であっても、累積赤字や借入金の増加によって基準資産額が2,000万円を下回っているケースも珍しくありません。許可申請の前には、必ず最新の貸借対照表で基準資産額を確認してください。
派遣業許可で求められるキャッシュ(現金預金)の保有基準とは
基準資産額の要件をクリアしていても、手元のキャッシュが不足していれば派遣業の許可は取得できません。派遣会社は派遣労働者に対して直接給与を支払う立場にあるため、すぐに動かせる現金や預金を一定額以上保有していることが許可の条件として定められています。
現金預金要件の具体的な基準
許可申請にあたっては、法人名義の現金および預金の合計額が1,500万円以上であることが求められます。対象となるのは貸借対照表上の「現金及び預金」に計上されている金額で、法人名義の普通預金や当座預金、定期預金が含まれます。
複数の事業所で派遣業を行う場合は、「1,500万円×事業所数」が基準額となりますので、2か所で申請する場合は3,000万円以上が必要です。
基準資産額の要件との違いに注意
基準資産額の要件では売掛金や固定資産も含めた資産全体から負債総額を差し引いて計算しますが、現金預金の要件は「すぐに使えるお金」に限定されています。不動産や設備をいくら持っていても、この要件の充足にはつながりません。
実務上よくあるケースとして、基準資産額は2,000万円を超えているものの、現金預金が1,500万円に届かないという状況があります。許可申請のスケジュールが決まっている場合は、決算日時点で口座残高が基準を満たすよう、入出金のタイミングを意識した資金管理を行ってください。
資産基準に満たない場合は増資や月次決算で対処する
直近の決算書で資産要件を満たせなかった場合でも、決算日以降に財務状況を改善し、公認会計士に証明してもらうことで、次の年度決算を待たずに申請できる仕組みが用意されています。
増資によって純資産と現金預金を同時に増やす
資産要件を満たすための代表的な方法が、株式を発行して行う増資です。払い込まれた資金が資本金に加算されるため、負債を増やさずに純資産(基準資産額)と現金預金の両方を引き上げられます。借入では負債が増加し基準資産額の計算で相殺されるケースがありますが、増資であればその心配がありません。
ただし、資本金が増えると法人住民税の均等割が上がる可能性がありますので、税負担の変化も含めて増資額を検討してください。
月次決算と公認会計士の監査証明を活用する
増資や資金の組み替えで資産要件を満たした場合、月次決算書を作成し、公認会計士または監査法人による監査証明を受けます。この監査証明付きの月次決算書を労働局に提出すれば、年度決算を待たずに許可申請を進められます。
監査証明を発行できるのは会社と利害関係のない公認会計士に限られるとされていますので、依頼先については早めに専門家へ相談しておきましょう。
派遣業許可の申請ならグランアシスト社会保険労務士事務所
グランアシスト社会保険労務士事務所では、派遣業許可の新規申請や更新手続きに対応しています。資産要件の確認から申請書類の作成まで、許可取得に向けたサポートを行っていますので、まずはお気軽にご相談ください。
【Q&A】派遣業許可と資本金の資産要件についての解説
- 派遣業許可で求められる基準資産額はどのように計算しますか?
- 貸借対照表の資産総額から負債総額と繰延資産、営業権を差し引いて算出します。この金額が2,000万円以上であることが派遣業許可の純資産に関する要件です。資本金の額とは異なりますので、申請前に最新の決算書で確認してください。
- 派遣業許可で必要なキャッシュ(現金預金)の基準はいくらですか?
- 法人名義の現金および預金の合計額が1,500万円以上あることが求められます。対象は普通預金や当座預金、定期預金など、すぐに動かせるキャッシュに限られます。複数の事業所で申請する場合は「1,500万円×事業所数」が基準額です。
- 資本金が不足して資産要件を満たせない場合はどうすればよいですか?
- 株式発行による増資で資本金を積み増す方法が有効です。増資であれば負債を増やさずに純資産と現金預金を引き上げられます。増資後は月次決算書を作成し、公認会計士の監査証明を受けることで、年度決算を待たずに申請を進められます。
【人材紹介】派遣業・有料職業紹介事業の許可申請などに関するコンテンツ
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